さて

■狼子曰く、凌辱系ゲームの製造・販売が禁止になったわけだけど、これってどこで線引くんだろう。例えば、タイトルに凌辱を喚起させるような語句を使っちゃダメよ～的な程度なのか、或いはもっと厳しく作中に凌辱描写を出すのは一切厳禁なのか。

　そういやソフ倫の懇談会とやらで規制反対の声は殆ど挙がらなかったというけど、まぁ、仕方ないね。エロゲー屋としては組織を維持して社員を食わせなきゃならんのだから、勝ち目の無いのに戦ってる場合じゃないわけで、抜け道探して活路を見出すほうが建設的なワケだし。しかし、凌辱表現一切ＮＧとなった場合、どうなっちゃうんだろうか。アレですよ？　ランスも和姦しかしません。月姫のリメイク版には琥珀さん出てきません。『タクティクスオウガ』のセリエの最期はオズ様が部下をたしなめる。オズ様は話がわかってない！

　しかし今回のエロゲー規制、我々エロマンガ屋としては対岸の火事なだけど、川幅１メートルくらいなんで、いつ飛び火してくるかわからんなぁ。エロマンガの場合、エロゲと違い個人製作が殆どだと思うので、いざ規制という流れになったら、それに立ち向かう個人は出てくると思うけど。
　立ち向かうとして、はて、どう戦えばいいのか。例えば100人にアンケートとれば、凌辱規制については90人が賛成するだろう。で、残りの10人に属する我々だけど、その中で「凌辱表現規制に反対！」を大声を張り上げられる人がどれだけいるだろうか、と。もちろんコチラとしては『表現の自由』云々を盾にして戦うわけだけど、90人の側からすれば「ハイハイ、異常性癖者が何かホザいてますよ？」としか受け取られないだろうし。
　『レイプ好きの性犯罪者予備軍』のレッテルを貼られてまで規制に立ち向かえる剛の者なんざ、10人の中に１人か２人程度だろうなぁ。となると、90人ｖｓ1人の戦いだ。そんなもん、テルモピュライの戦いのスパルタ兵の300倍くらい圧倒的劣勢であり、つまるところ、これ…戦えるか？　いや、戦う以前に相手にされないだろうな。

　ネットの反応とか見てると、「こういう凌辱ゲームが異常性癖のハケ口になってるわけだから、規制＝性犯罪増加に繋がる」みたいなこと書いてる人もいるけど、ちょっと待てと。実際それでレイプ事件やらが増えたりしたら大変ですよ？　「結局、こういう性犯罪者がよりどころとしてるエロゲーこそが諸悪の根源じゃねーか！」という論法に摩り替わり、エロゲーというジャンル全てが潰されてしまうんじゃなかろうか。こ、困るキミィ!?　まずはエロゲーと性犯罪を切り離す論調に持ってかないと。

　もうね、アレだ、マイノリティの中のマイノリティである我々としてはですよ？　声を荒げて戦うよりも、「へへぇ、こりゃもう人権団体様の仰る通りで…」とへつらいつつ、マジョリティの眼の届かない仄暗い細道を行き来するしかないのじゃろうか。その細道さえ通行止めにされたり、陽の当たるところでスクスク育ってるのに、凌辱という徒花に姿形が似てるというだけで引っこ抜かれてしまうようになったら、それこそもう日本終了のお知らせなワケだけど、はたして今回の規制がどれほどの締め付けなのか。とりあえず、今後の動向に目が離せないというかなんというか。

　あ、ゲームの冒頭で『作中に暴力的な性描写がありますが、両者合意の行為です』ってテロップ出せばＯＫとか…ダメ？　教育的な配慮で…。